最近、地方移住への関心が高まる中で「地域や移住に興味はあるけど、地域になじむのは難しそう」と感じる方が多くなっています。
そんな不安を払拭するため、2020年8月5日にオンラインイベント 「地域を知り、地域に入り込む暮らしとは??~次の暮らしを考える交流会~」を開催しました。
これまでと同様、株式会社はじまり商店街様、同社代表の柴田大輔さん全面協力のもとイベントが開催しました。
今回のゲストは、「地方複住」「居候男子」という肩書きを持ち、今まで国内20の地域に滞在した木津歩さん。
ユニークなアイデアで地域に溶け込む木津さんのお話は必見です!
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「地方複住」で地域にコミットした事業を展開
最初に木津さんが語ったのは「居候男子」の実態と、地域住民との関係性を深めていく方法について。
「居候男子」のはじまりは、友人からの誘い。当時勤めていた建築設計事務所の仕事を辞めたタイミングで、「うちのシェアハウス住む?」と誘われたことがきっかけだったそうです。その後、別の友人からヘルパー募集を聞き、拠点を移動。
多拠点生活の楽しさに次第にハマっていき、「居候男子」と自身で名付けて活動し始めた木津さん。仕事は知り合いから紹介してもらったり自分で探したりしながら、国内各地に約1ヶ月ごとに滞在する生活をしていたそうです。
独立後に掲げたテーマは「地方複住」。根無し草のように各地を転々とする「線の滞在」から、以前訪れた地域を積極的に再訪する「円の滞在」へと移行していきました。
現在は、都内の映像制作会社『AOI TYO Holdings』にある事業研究開発チーム『Pathfinder』でテレワークをしながら、業務分野の1つの「地方」を担当し、事業の研究開発をしています。
チームの中で木津さんは「ローカルリエゾン」という役割を担い、まちのコミュニティに関わりながら地域の現状や課題などをリサーチしたり、珠洲市の歴史を学んだりしているそうです。
さらに、珠洲市に友人が訪れた際には、まち案内や現地に住む人の紹介などもしています。
移住場所は、人のつながりで決めるのが木津流
ここからは、木津さんが参加者の質問に答えていきます。
ー『関係人口契約』って何ですか?
木津「まず関係人口とは、地方創生の文脈で近年注目されている、交流人口と移住人口の間の人口を定義したものです」
宮城「つまり旅行以上、移住未満ですね」
柴田「関係人口の言葉の定義はあいまいで、各自治体が解釈しながら使っているため理解するのは難しい」
木津「関係人口契約とは、僕が兵庫県香美町のNPO法人と結んでいる契約です。定義が曖昧な関係人口をあえて契約によって定めて、(主に遠隔で)様々なプロジェクトを一緒に進めています」
ー拠点を変えるときの決め手を教えてください。
木津「知り合いや友人の紹介ですね。『面白い』と思った人との交流に軸を置き、新しい発見を求めて多拠点生活をしています」
ー「円の滞在」(以前訪れた地域で再び暮らす)にしたことで、どのような変化がありましたか?
木津「地域に住む方の受け入れ方が変わりましたね。その地を離れてから仕事のお誘いをいただいたり、コミュニケーションの深度が上がったように思います」
柴田「会う回数とコミュニケーションによって、信頼度が上がりますよね」
ー珠洲市の魅力は何ですか?
木津「住民が皆、『珠洲市がどんな場所か』を詳しく語れること。エリアごとに独自の特徴や文化を持っていて、地域住民と話をする度に新しい発見があります」
ーこれから移動生活をする人に何かアドバイスはありますか?
木津「心と体の状態を保つことですね。1ヶ月おきに地域を移動する中で、次第に心と体が疲れていくので、生活のルーティンを守る必要があります」
柴田「拠点を移る前にあらかじめ次に訪れる地域とのつながりを作っておくのがいいですね」
ーどんな場所に住むのがおすすめですか?
木津「シェアハウスやゲストハウスがあるところですね。シェアハウスの仲間がいる安心感の中で、地域住民との交友関係・人脈を広げていくことができます。同時に、生活費や滞在費を抑えることができるのでおすすめです!」
地域に合うのは、人と関わることが好きな人
ここまでの時間でかなり盛り上がったため、パネルディスカッションが短くなったのですが、一つだけピックアップして回答しました。
こんな人が地域に合う
木津さんによると、「人付き合いが好きな人が地域に合う」とのこと。地域の規模が小さいほど関係性が深くなるため、交流やイベントへの参加を心から楽しめる人は合っていると考えています。
それに対し参加者は、「コミュニティ内での距離感は、地方都市くらいの規模の地域で取るのがちょうどいいのかもしれないですね」とコメントしました。
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これを機に、木津さんのような居候体験に興味や関心をもった方が多いはず。
当社サービス『flato』では、木津さんに地方生活のことを直接相談ができるので、ぜひ一度サイトへアクセスしてみてください。
次の開催は8月25日、逗子のアットホームな雰囲気が漂う心地よいお店、「アンドサタデー」の庄司健吾さん、真帆さん夫妻に登壇いただいたイベントをレポートします!
逗子を活気づける数々のイベントを開催したり、まちのガイドブックを制作したりと注目のゲストです。
お楽しみに!
▼木津歩さんへのオンライン移住相談はこちらから
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文、グラフィックレコーディング:島内未来