今回のflatoの移住者インタビューでは、島根県松江市在住の濱名慶伍さんにお話を伺いました。
前職では「自分と関わる人を元気にしたい」という想いで、ハードな仕事をこなしてきた濱名さん。ある出来事をきっかけに島根へ移住を決め、「島根の発信者」として活動する現在に至るまでの過程に迫りました。
地域にコミットする2つの活動
ー現在の活動について教えてください。
主に2つあります。
一つは、地方創生推進事業を展開するIT企業の仕事です。地域企業の生産性を高めるシステムの導入支援をしていたり、自治体と連携して行う事業をおこなっています。
もう一つが、僕個人で運営するブログ「婿養子の島根移住ブログ」での情報発信活動です。移住を検討している方に向けて、田舎暮らしの魅力や、移住検討時に気を付けてほしいことなどを書いています。
ー地域に根ざした活動をされているんですね!普段はどのような生活をしていますか?
新型コロナウイルスの流行前は毎日通勤していましたが、今は自宅でテレワークをしています。仕事の合間や週末を利用してブログ記事を書く、という生活です。
ー島根のどんなところが気に入っていますか?
ゆったりとした田舎の過ごしやすさはもちろんですが、それ以上に地域に関心がある人が多いことです。島根県は人口が全国ワースト2でして、その課題と真剣に向き合うべく、皆で地域を盛り上げようという雰囲気があります。
ーそれは興味深いですね。具体的な事例があれば教えていただきたいです。
例えば、県内の大学で開催された企業説明会に出展したときのことです。学長自らが「地元企業の良さを学生に伝え、県内で働く人を増やしていきたい」と僕ら地域企業の採用担当者に語っていたんですよ。学長自ら県内就職を推進する姿勢を示すって、結構珍しいことだと思うんですよね。
若者の県外流出に歯止めをかけ、未来ある学生が活躍できるよう県全体で目指しているのだとわかった出来事でした。
また、あるイベントに参加したとき、参加した高校生の地域に対する課題意識が高かったんですよね。島根県は、学校の授業でも地域課題に触れる機会も多いようで、都会出身の僕からしたら新鮮でした。
毎日仕事で忙しくしていた東京時代
ー前職のコンサルティング企業には、どのような決め手で入社したのでしょうか?
人ですね。「お客様と従業員と従業員の家族の幸せのために全力で仕事をする」という会社の方針と社員の姿に感動し、入社を決めました。
初任給で両親にプレゼントを買うことを指導されたり、喉が枯れるほど挨拶の練習をしたり、お客様のために連日徹夜をしたり。。。少しおせっかいでハードな社風でしたが、社会人の基礎と仕事に対する考え方を叩き込まれたので感謝しております。
ー仕事や顧客に対する意識がとても高いですね!その会社ではどのような仕事をしていましたか?
組織人事コンサルタントや営業として、主に人事評価制度の構築や、ホームページ作成支援をしていました。東京と大阪で二拠点生活をしながら営業に励むなど、忙しい毎日でしたね。
ー入社を機に初めて関西から出たそうですが、生活の違いは感じましたか?
はい。これまでは兵庫の実家暮らしだったのが、入社後は東京の社員寮での生活になったので、大きなギャップを感じました。よくある家と勤務先の往復状態でしたね。
地域貢献の想いが芽生えた島根との出会い
ーその後、縁のなかった島根に移住を考えるようになったきっかけを教えてください。
当時付き合っていた彼女と結婚を考えたことと地方への関心が高まったことです。
移住を視野に島根について調べていくうちに、「島根は地域課題をたくさん抱えている」と知り衝撃を受けました。人口減少や高齢化問題だけでなく、県全体の知名度の低さから経済収益が低迷していると知ったときは驚きましたね。
網羅的に地域課題を把握することで「自分にできることは何か?」と島根に対する当事者意識が強くなりました。
ー地域課題の多さから島根に興味を持ったのですね。移住前にはどのような準備をしましたか?
前職を辞め、地域課題の解決にコミットできる地域おこし協力隊に応募しました。残念ながら採用されませんでしたが、現在の仕事も楽しいので結果的に良かったです。
さらに、ブログやツイッターを開設し、地方移住情報の発信をスタートしました。「自分のような移住に不安を抱える人の支えになれるかもしれない」と続けていくうちに、たくさんの方から良い反応をもらって嬉しかったです。
ー素敵な活動ですね!
いえいえ、ただのニートですよ。
海外旅行に行ったりして遊んでいたので、貯金がみるみる減って移住直前は危なかったです(笑)。
ーなんと(笑)。
移住へのハードルを低くするのは「やり直せる移住」
ー移住前後で自身にどのような変化がありましたか?
「人のために働きたい」という想いに加え、「地域に貢献したい」と考えるようになりました。東京時代は仕事や日々の生活に追われ、自分が何をしたいかを見失うこともありましたが、今は仕事に縛られない生活から心にゆとりが生まれ、地域課題に真剣に向き合う志を持つことができています。
ーありがとうございます。今、移住を検討している人に伝えたいことは何ですか?
一か八かの賭けで移住するのではなく、「やり直せる移住」をしてください。移住前に準備はするに越したことはないですが、結局は住んでみなければわかりません。
縁もゆかりもない地域に移住して、理想と現実のギャップに苦しむ可能性もゼロではありません。そんな時、「都会に戻りたい」と思っても戻れない状況(例えばローンを組んで家を買ったなど)だと、身動きが取れなくなってしまいます。そうならない移住をすることをオススメします。
あとは、田舎の五大不安を事前に無くしておくことですね。
ー気になるキーワードですね。
田舎の五大不安とは、「仕事・住まい・移住先の快適さ・地域住民との関わり・交通アクセス」を指しています。
それぞれについて対策しておくことで、地方移住の失敗は格段に減らせます。それぞれ説明したい所ですが、詳細は個別相談時のお楽しみということで(笑)。
―最後に、移住を検討するどんな方の相談に乗れると考えていますか?
一人でIターンを検討する人や移住に失敗したくない人、地方創生に携わりたい人、未経験からIT企業へ転職する方法などの相談に乗ることができます。移住に対するハードルは高く思われがちですが、私の体験をもとにした移住における仕事や生活のコツを知り、不安や悩みを解消してもらえたらと思います。移住のステップを段階的に踏み、あなたにとっての理想の移住の始め方を一緒に考えていきましょう。
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