今回のflatoの移住者インタビューでは、山梨県北杜市と東京で2拠点生活をしている辻麻梨菜さんにお話を伺いました。
東京で会社員として働きながら、はじまり商店街でもコミュニティビルダーを務めている辻さん。地元・山梨県で友人とデリを出すことも予定し、地元の課題をイベントを通して解決を試みるなど、様々なことでご活躍しています。「多動なライフスタイル」と語る、その真意に迫りました。
フットワーク軽く動くことで開ける道
ー現在の仕事や活動について教えてください。
週4日は東京で会社勤務、週3日は地元・山梨県へ里帰りをしながら地域の課題解決に取り組んでいます。
東京では、正社員と副業ワーカーで構成されているベンチャー企業「株式会社トレジャーフット 」で正社員として働いています。
また、ライフワークとして、はじまり商店街のコミュニティビルダーをやっていたり、地元山梨の地域課題を解決するイベントを開催するなど、幅広く活動をしています。
ー東京ではどのような場所に住んでいるのですか?
東京都足立区にあるフルリノベーション団地「いろどりの杜」に今年の2月ごろから住んでいます。
はじまり商店街が関わっている物件なのですが、団地に住みながら賑わい作りをするような場所なので、「ここで経験を積めば北杜市でも活かすことができるだろう」と飛び込みました。
ー行動力がすごいです!東京ではどんなお仕事をしていますか?
都市部にいる人材と地方の中小企業をマッチングさせる仕事をしています。
その一環で、山梨県や静岡県に行くこともあるので、本業でも地域と関わるような仕事ができています。
ー「東京でも地方」なのが辻さんならではですね。地方との関わりが増えて、どんな気付きがありましたか?
近所の人たちと親密な関係になれることが「心地よい」と感じたことですね。
小さい頃は、田舎特有の近所付き合いが嫌でしたが、大人になってその温かみのある関係性の良さに気がつきました。
「いろどりの杜」に住んでいるのは、「地域コミュニティの親密な関係を東京でも築くことができるのではないか」と考えたためで、今はその実証実験中です。
思い出の故郷が変わってしまうもどかしさ
ー新卒入社した株式会社ベネフィットワンでは、どのような仕事をしていましたか?
新卒入社から6年間勤務し、さまざまな部署を体験しました。
最初は法人営業を行い、その後はWEBディレクターや新規事業開発など、様々な部署を経験しましたね。
ーそのとき、どんなことを感じていましたか?
都会暮らしへの疑問、ですかね。
社会人3年目の頃に、「暮らしているだけでお金を浪費してしまう」都会の暮らしが辛くなりはじめたんですね。また、田舎の暮らしや働き方の情報が入ってきて、自分の働き方に疑問を持ち始めたんです。
ーご自身の疑問が大きかったのですね。そこから「地方」へさらに興味を持つきっかけはありましたか?
社会人3年目の時、母校の統廃合の話を聞いたことですね。
それをきっかけに考え方がガラリと変わりました。
ーどのように変わったのですか?
その時まで地元に一切関心がなかったのですが、やはり母校がなくなってしまうのは悲しく、一度見に行ったんですね。
すると、私が今まで見てきた地元の風景と”今”が大きく変わっていて、とても驚きました。
ーそれはインパクトのある出来事ですね。以降辻さんはどのような行動を取りましたか?
「地方創生」「移住」と付くありとあらゆるイベントに足を運び、情報をキャッチしに行きました。
「何か私にできないか」と模索していたものの、ひとりでは何もできないので、すでに活動を始めている人と出会いたかったのだと思います。
「言う・会う」を繰り返して、掴んだライフスタイル
ー多くのイベントにしてみた結果、どんな気付きがありましたか?
当時、「東京生活で培ってきた人脈やノウハウを地元に生かせる方法はないか」と考えてイベントを回っていたものの、ピンとくるものが少なかったんですね。
そんなある日、東京で「2拠点生活」がテーマのイベントにたまたま参加したとき、「これだ」と感じたんです。
また、2拠点生活をしている方が周りにいなかったのですが、登壇者の話を聞いて「同じようなことをやっている人を探すのではなく、まず自分が実践すればいい」と気付き、そこから自分なりに活動してみようと考えました。
ー当時すでに「これをやりたい」というものはあったんですか?
実はそういったものがなかったため、さらにイベントに足を運びました。そうして接点を増やしていくと、多くの方が声をかけてくれるようになり、気づけば人脈が広がっていました。
ー前職を退職する前に、どんなことをしましたか?
信頼している仲間に、辞めることを打ち明けました。
すると、「一緒にこんなことしてみない?」と声をかけてもらえたりしたので、一緒にアイデアを膨らませたり、一緒にできることを考えて行動したりしていました。
とはいえ、当時は職場環境的にすぐに実践できる多くなかったので、「会社のリソースを使ってトライする」という方法を取っていました。
これもイベントで知った考え方です。
ー「まず小さく始めてみる」ということですね。
ちなみに、今の会社の代表は前職の上司なんです(笑)。
辞める前から副業として今の会社のお手伝いをさせて頂いていたり、半年間ほど並行して準備をしていました。
ーキャリアチェンジ前にやっておいてよかったことはありましたか?
「やりたいことを口に出す」ことと「会いたい人に会いに行くこと」ですね。
そうすることで周りの人たちがアドバイスなどをくれたり、フットワーク軽く動くことで新たなチャンスが巡ってきました。
もちろん予想外の出来事も次々と起きてしまいますが、解決のために奔走していたので、3年間があっという間でしたね。
地元を皆のサードプレイスに
ー2拠点生活を始めてみて、どんな変化がありましたか?
以前までは、イベントはライフワークとして行ってきたのですが、最近では山梨県庁さんにお声をかけてもらったりと、仕事にもつながってきています。
また、親友と地元でデリをやろうと企画し実践しているなど、生まれ育った白州での活動も徐々に拡がってきています。
ー辻さんがこれから実現していきたい世界観について教えてください。
あまり大きいことをやりたいというよりは、自分と関わってくれた人が幸せになってほしいと考えています。
東京で関わっていた人たちが、移住だけではなく、2拠点生活の場所として行きたい時に行けるような場、そして私の地元の人と繋がりが持て、地元の人同志も繋がれるような場を作りたいです。
山梨に来てくれる人、地元の人、どちらにとってもサードプレイスになるような場づくりをしていきたいですね。
ー最後に、移住検討者のどのような相談に乗れるか教えてください。
関心があるなら、とにかく足を動かしてみることだと思います。興味があれば、実際にその土地に行ってみることをお勧めします!
まず行ってみることで、ネットではわからない生活の様子や現地の人たちの雰囲気などを感じられるので、新たな気づきを得ることができると思います。
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