今回の移住者に聞いてみたでは、愛媛県松山市在住の今野正輝(こんのまさき)さん(Twitter)にお話を伺いました。
松山の心地よさに惹かれた今野さんは、赴くままに横浜からの移住を決意。「今すぐに移住はできない」という考えが変わったきっかけについて語ってくれました。
自分らしさを発揮できる松山生活
ー現在のお仕事について教えてください。
フリーランスとして、オンラインセミナーの企画から運営配信、ライター、WEBサイト制作などのWEBコンテンツ制作を行っています。
ー幅広くお仕事をされているんですね。メインのセミナー配信はいつ頃から、どのようなきっかけで始められたんですか?
2020年5月頃からです。それまではWEB制作やライティングの仕事を請け負う傍ら、アルバイトで就職支援事業に携わっていました。その中でオンライン企業説明会の企画に携わったことをきっかけに、個人でもお仕事をいただくようになったんです。
-オンラインが主体のお仕事ですが、どのような働き方をされていますか?
セミナー配信の際は会場に出向くこともありますが、基本は自宅での仕事がほとんどです。稼働日や勤務時間帯は自由に決めています。
ーお住まいの松山市の魅力について教えてください。
自然を近くで楽しめることですね。車があれば、海や山まで30分で行けます。また、松山は四国で一番大きな都市で、市街地は店が充実しているため、生活に困らないことも魅力の一つです。
ー休日はどのように過ごしていますか?
海や山までドライブして写真を撮ったり、家で楽器を弾いたりしています。また、在宅勤務が続くと運動不足になるため、運動やストレッチの時間も取るようにしています。
「移住は難しい」と感じた初めての愛媛旅行
ー社会人1年目からの流れを簡単に教えてください。
新卒で専門商社に営業職として入社しましたが、数ヶ月で体調を崩して退職してしまいました。その後は職に就いたり離れたりを繰り返すなど、仕事や働き方について悩みが尽きませんでした。
ー具体的にどのように悩んでいたですか?
「正社員として働かなければならない」という固定観念から悩み続けた時期が5〜6年続きました。精神的にも不安定になり、今振り返ると「自分がどう生きたいのか」という視点でキャリアを考えられていない状態でしたね。
ー苦しい時期を経験されていたんですね。その後、転機となる出来事はあったのでしょうか?
はい。仲の良い友人に相談する機会があり、最初は非難されるのかと思っていたのですが、その時に「早く言ってくれればよかったのに」と笑顔で言ってくれたのは大きかったですね。自己開示をしたことで心が軽くなり、徐々に自分軸での生き方を模索できるようになりました。
ー松山とは、いつどんなきっかけで縁が生まれたのですか?
2019年、松山在住の方が主催されているオンラインサロンに参加したことがきっかけです。メンバーそれぞれの悩みを皆で解決する時間があり、そこでとことん自己開示をしたことでフィードバックをたくさんいただき、色々な気づきがありましたね。
ーその活動のなかで、移住を意識されるようになったのですか?
いえ、始めから移住しようと決めていた訳ではありません。最初は仲良くなったサロンメンバーに会いに行くために2019年に初めて愛媛に行ったところ、とにかく居心地が良く、心で通じ合う感覚を持てたんです。そこで「松山に住めたらなぁ」と思いはしましたが、住まいや仕事への不安の方が大きく「今すぐに松山に住むのは現実味がない」と思っていましたね。
「流れに乗るしかない」と移住を決めた2度目の愛媛旅行
ーその後、どのような経緯で再び松山を訪れたんですか?
愛媛旅行の後、以前より挑戦したかった一人暮らしを東京で始めようとしたのですが、入居時に契約のトラブルがあり、契約破棄となってしまったんです。その過程で疲れてしまい、少し休もうとおもいきって2週間ほど愛媛に旅行に行くことにしました。
ー2度目の愛媛旅行ではどんなことをされたんですか?
松山の方と仕事をしつつ、その合間で会いたかった人に会ったり、瀬戸内の離島と松山市内のゲストハウスを転々として過ごしていました。そんなある日、作業をするためにたまたま入ったカフェで店長さんと仲良くなり、併設されたマンションのチラシをもらったんです。その後、タイミングよくマンションのオーナーを紹介いただき、「住める部屋はあるよ」と。
ー急展開ですね…!
そうなんですよ。また、周りの人に自分の経験を伝えることで、新たな仕事をいただくこともできました。住まいも仕事も愛媛で持てそうだったので、これは移住するしかないと思ったんです。
ー流れるように移住が決まったように見えますが、それはどうしてなのでしょうか?
「松山に移住することに対して悩まなかった」からだと思います。これまで仕事や人生について悩み続けてきましたが、初めて「そういう流れなんだな」と自然に思えたんですよね。松山の居心地の良さにも後押しされ、「なんとかなる」と決断できました。
悩まなかったことが移住の決め手に
ー移住準備にあたり大変だったことはありましたか?
実家がある横浜から松山までの移動は大変でしたね。片道だけで約1000キロあり、兵庫県の知人宅を経由して2日間かけて車で移動しました。物理的には大変でしたが、住まいや仕事、気の知れた仲間がいるのは安心につながりました。
ー移住後に感じた、今野さん自身の変化を教えてください。
初めて一人暮らしをしたことにより、自分の新しい一面を発見しました。たとえば、ストレッチを大切にする自分や実は温泉が好きな自分など。自分のことを意外と分かっていなかったんだなと思いましたね。また、困ったときに人を頼ることができるようにもなりました。人との出会いやつながりを通して、「自分は愛されている」と実感することができ、人からの愛を受け取れるようにもなった気がします。
ー最後に、移住検討者に向けたアドバイスはありますか?
まずは「お試し移住」から始めることをおすすめしたいですね。私の場合、初めから移住を決めていたわけではありませんが、移住前に現地の人とのつながりを持てていたからこそ、安心して移住できました。また、移住にあたり困ったことがあったら、怖がらずに声を上げて相談してほしいなと思います。
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