今回のflatoの移住者インタビューでは、神奈川県鎌倉市在住のフリーランス成瀬夏実さんにお話を伺いました。
広報・ライターとして活躍しながら、二児の母でもある成瀬さん。
仕事も育児にも全力の成瀬さんが大切にする、移住後のライフスタイルを伺いました。
今、仕事も子育ても全力になる理由がある
ー現在の状況や仕事について教えてください。
フリーランスで広報とライターをしています。
主に広報をしており、アステリア株式会社とnote株式会社の2社で、広報アシスタントとしてSNS運用やライティングなどを担当しています。
ー子育てをしながらお仕事をされているんですよね。
はい。2歳と4歳(2020年10月時点)の子どもがいます。今まで出産と育児が続いて仕事に時間をあまり割くことはできなかったのですが、下の子どもが保育園へ入園したタイミングで、仕事を本格化しました。広報を務める2社はそれぞれ、2019年12月、2020年6月から働いています。
ーパラレルワークに育児まで。毎日どのようなスケジュールで過ごしているのですか?
7時に起床し、8時過ぎに旦那と子どもを見送ります。9時から18時までが仕事タイムです。それから保育園へ子どもを迎えに行き、22時頃に寝かしつけが終わります。残っている仕事があれば、0時くらいまで作業することもあります。ほとんど休憩をとらないので、ずっと仕事をしていますね。
ースケジュールがびっしりですね…!
でも、以前はここまで仕事人間ではなかったんですよ。ライターだけをしていたときは、午前中は仕事、午後はゆっくり過ごしていました。久しぶりに忙しい毎日を送っています。
ー仕事と家庭を両立させるために、心がけていることはありますか?
私はまだまだ、両立できていないかもしれません。ただ、月に一度、息抜きデーを設けています。子どもを旦那に預けて、気になるホテルに泊まりに行っています。
ー素敵です。今後のキャリアについて、考えていることがあれば教えてください。
20代での出産は、身体的なリスクが少ないというメリットがあります。一方でキャリアとしての遅れを感じていました。30歳の今、子育てだけではなく、仕事にも力を入れてキャリアアップできたらいいな、と思っています。
「縁側のある家に住みたい」移住にこめた長年の夢
ー現在はフリーランスとして活躍されている成瀬さんですが、以前から個人でお仕事をされていたのでしょうか?
いえ、新卒では町工場に入社し、1年半ほど勤めていましたね。もともと独立願望があったので、結婚するタイミングで会社を辞めることに決めたんです。独立した頃は、ちょうどキュレーションサイトが増加していたときで、いろいろなサイトで記事を書いていました。WEB上で完結できるコラムなどを担当することが多かったです。
ー独立、出産を経て、移住を考え出したのはいつ頃ですか?
ちょうど2人目の子どもが生まれる、2017年の秋頃でした。
実は、私は古民家の縁側が好きで、「いつか縁側のある家に住みたい」と思っていました。ただ、当時住んでいた東京では実現できるイメージが持てず、鎌倉近辺に移住した方がいいのではないかと考えはじめたんです。
ー移住を考え始めて、すんなり決められましたか?
いえ。私は東京出身で、都外で暮らした経験がありません。移住に対する不安や怖さもある…。でも、「縁側が好き」という想いが薄れることはありませんでした。「自分が実現したいライフスタイルは、東京では実現できない」と感じたタイミングで思い切って行動しないと、ずっと移住できないと思ったんです。歳をとればとるほど、足は重たくなりますから。
ー縁側への想いが後押しになったのですね。移住について、どなたかに相談されましたか?
鎌倉に拠点を構える『面白法人カヤック』の柳澤さんに相談しました。そしたら鎌倉に住んでいる人を紹介してくれて、鎌倉移住を後押ししてくれました。
ーそもそもの質問になってしまいますが、縁側のどんなところに惹かれたのでしょうか?
何か論理的な理由があるわけではなく、「なんとなく好き」なんです。縁側は、落ち着いてのんびりできる場所。そこが好きなのかもしれないですね。
縁側に興味を持つようになってから、いろいろな地域を見てまわるようになりました。そこで、ただ古民家を見て回るだけでなく、縁側のある古民家を見ることが楽しいと気づいたんです。せっかくならサイトを立ち上げようと思い、自分の目で見た古民家だけをアップする「縁側なび」をはじめました。
「子どもの変化」によって変わった定住への意識
ー移住先は最初から鎌倉に決めていたのですか?
実は、最初は神奈川県葉山町に住もうと考えていました。古民家も含めて物件を探したのですが、私が既に160軒ほどの古民家を見てまわっていたこともあり、あまりピンと来るものがなく…。立地的にアクセスが良くないことと、古民家暮らしの難しさを考えると、子育て世帯にとって葉山で暮らすことは厳しいと判断しました。
ーそれを踏まえて、どのように鎌倉での家を決めていきましたか?
まず、古民家ではなく、普通の家を借りて住むことにしました。「エンジョイワークス」というサービスを使って物件を調べ、何度か内見に行ってから決めました。
ー鎌倉は、定住前提で考えていたのですか?
いえ、最初は、「鎌倉が合わなかったら都内に戻る」ことも視野に入れていましたね。ですが、いざ住んでみると、周りは持ち家の家庭が多く、少しずつ鎌倉で定住するイメージが膨らんでいきました。そこで「縁側のある家を建てよう!」と思い、昨年、ついに土地を購入。2020年8月から新しい家に引っ越しました。
ーとても楽しみですね!移住前の生活に戻ることも想定していたとのことですが、どういう心持ちでしたか?
「移住したからには、ずっとそこにいなきゃ」というよりは、元の東京の生活に戻りたいと思うかもしれないと考えていました。土地柄が合わなかったら戻ればいいのかな、と。
ーそこから、そのまま鎌倉に住もうと思った決め手は何ですか?
子どもが、自然の中で遊べる環境のよさに気づいたからです。都内に住んでいた頃は、基本的に公園が遊び場でしたが、その公園までの移動も大変で 。一方、今の環境では自然が近くにあるますし、山の中を散歩させるだけでも、子どもにとっては新しい発見だらけ。私たち親にとっても大きな助けとなっています。
ーお子さんが自然と触れ合う中で、何か変化はありましたか?
虫を触れるようになりました!都内に住んでいた頃は、いわゆるシティボーイで全く触れなかったのに…。パワフルになったなと感じています。
ーそれは親としても嬉しいですよね。移住すると決めたとき、旦那さんに驚かれましたか?
夫はは北海道出身で、彼も「東京にいたくない」「自然のあるところに行きたい」と言っていたんです。夫は都内で会社を経営してましたが、移住をきっかけにオフィスも鎌倉へ移転させました。社員のみんなも、ときどき鎌倉に足を運んでくれます。以前からリモートワークに対応していたので、勤務形態の変更も比較的スムーズでした。
ー一方、移住されてみて大変だったことはありますか?
ゴミ捨ての細かい分別と、鎌倉ならではのカビが生えやすい環境ですかね。
鎌倉は、東京と比べてゴミの分別の種類が多いんです。以前だったら燃えるゴミで捨てていたものも、さらに分別しないといけない状況にストレスを感じることもあります。
また、海が近く小さな山がたくさんあるので、空気が溜まって、カビが生えやすい環境にあります。クローゼット内のスーツや靴が全てカビだらけになったときは驚きました。常に除湿機とクーラーをつけて対応しています。
とはいえ、慣れれば問題ないので、さほど気にしなくていいとは考えています。
移住とは、自分を変えられる第一歩
ー成瀬さんにとって、移住がご自身の人生にもたらしたものはなんだと感じますか?
「自分を変えられる一歩」だと思います。
私の場合、東京にいながら自分を変えることもできますが、それよりは、移住をしてしまった方が、より大きく変化できると実感しました。場所を変えることは、人生が変わる一つのきっかけだと思うんです。もちろん、いきなりではなく少しずつの変化ですが、確実に人生が変わってきていると感じています。家を建てることになったのもその一つかなと思います。
ーありがとうございます。最後に、移住検討者のどのような相談に乗れるか教えてください。
移住前にかなりの土地を探してまわったので、大体の土地の値段と雰囲気はお伝えできると思います!また、鎌倉駅周辺の情報についてもお任せください。ぜひ、気軽に相談してもらえると嬉しいです。
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